アイデアと土中の野菜
アイデアと土中の野菜にはある共通点があると感じる。
それは、泥がついているから、食べる前、アイデアを発案する前に泥を落とす必要があることだ。
大根、じゃがいも、人参。これらは土の中で育ち、収穫後は泥だらけである。食べるためには、まず、泥を落とさなければならない。そして、皮を剥く必要がある。さらに、調理をすることにより、美味しく食べられるようになるのだ。
アイデアの発見するプロセスもこれに近いものがあると感じる。まず、人は何かアイデアを思いついたら嬉しく感じたり、自分すごいと感じる、自分が正しいとも感じる。これは、野菜でいう泥のようなもの。自分のエゴや感情である。この泥がアイデアにこびりついた状態で人に提案すると、大抵の人は違和感を感じる。ほぼ確実に温度差がある。
自分は自分で思いついたアイデアすごいと感じているのに、他人はそうは感じないようだ。とふと感じ、その後幾つかの思考パターンに分かれる。
- こいつは見る目が無い人だ
- 自分のアイデアそんなにすごくないのかなぁ
- 誰もこのアイデアの良さをわかってくれない
これはアイデアじゃなくても、自分の体験談を話す場合もそう感じることがあるだろう。
このようになる原因として2つ
- アイデアそのものがつまらない。素材そのものが不味い。
- アイデアを適切に相手に伝わるようにしていない。泥がついたまま伝えようとしている。
人はアイデアを思いついた時、気持ちが高揚する。良い体験をした時もそうだ。それで、そのままの勢いで人に伝えてしまい、受け入れられないことがある。
アイデアも、他人がその価値をわかるように、しっかりと泥を落として、調理をすることだ。
しっかりと泥を落として、皮を剥くと、中身が腐っていることに気づくこともある。
自分が見出したアイデアを、しっかりと客観的に観察してみることだ。これで、アイデアにつく泥がとれてくる。
泥が無くなると、良いアイデアとか悪いアイデアとか正しいとか正しくないと感じることが無くなってくる。
こうした状態で人に伝えれば、仮に相手に受け入れられなくても、冷静になぜ受け入れられないかを分析することができる。
繰り返しになるが、
土から野菜を引き抜くと、泥がついてくる。自分がアイデアを発想したとき、エゴや感情の泥がついてくる。上手く調理することで、人に受け入れられるようになるだろう。