好きなもの、やりたいことを見つからない人へ
科学技術が発達してきて、誰でもあらゆる情報が手に入るようになり、多様な人生の選択肢があるように感じる現代は、表面的な自己満足は得やすいものの、自分の心の底から満たされるような人生を歩むことは難しくなっている。なぜなら、あまりにも多い情報―これらは社会から発信される情報だけでなく、身近な友人達から受け取る情報も含まれる―は、人を迷わせる元となるからである。情報が多くなれば選択肢は多くなる、選択肢が多くなれば人は迷う。心理学的にもありすぎる選択肢は、かえって選びにくくなることが知られている。
心理的トラップ:選択肢がたくさんあるとむしろ選べなくなる~マネーハック心理学15
人間は、今、目の前にある存在に対する感受性なくしては、本当にやりたいことや好きなものを見出すことができない。目の前に存在する様々な美に気づくことができなくなるのである。
目の前にある存在と感受性の例として、味覚を考えてみよう。頭の中であれこれ考えた状態で食事をするのと、頭の中で何も考えずに目の前の食事に集中して食べるのとどちらが良いか。
頭の中であれこれ考えながら食事をした場合、自分の食事に対して、食べてはいるけれども味覚をほとんど働かせることなく、ただ習慣的に食べていることになる。
- 自分が活躍できて、激務じゃなくて、待遇が良くて、楽しい仕事
- 器量が良くて、優しくて、美人の女性
- 仕事ができて、優しくて、頼れる家庭思いの男性
- 安くて、美味しくて、栄養価の高い食事
こういう明らかにアタリみたいなものは、世の中そうそう転がってない。
だが、エゴから来る頭の中のノイズは理想的なものを求めようとする。
自分の好きなもの、やりたいことを見つけるのを諦めてみるのも1つの手だ。諦めることで自然体になる。頭の中からノイズが消えていく。そして、目の前のことを受け入れる心ができるだろう。
諦めると見せかけて、諦めきれていない未練が残ったような態度じゃあ駄目だ。
「人生そんなにうまいようにいかないよ。」と人に諭しておいて、自分はまだ上手くいくように思っている人もいるだろう。
長くなってしまったが、まとめると、好きなことを見つけるには、頭の中のノイズを無くしていくことが大切である。
どうすれば頭のノイズが無くなるか。いかに自分のエゴを無くしていくかが大切になる。頭の中で考え事をしている自分に気づくことである。
自分で自分の思考がどう飛ぶかを観察できるようになれば、頭のノイズは晴れていくだろう。この頭の中の雲が晴れることで、あらゆる出来事に対して、魅力や充実感を感じるようになる。
好きなもの、やりたいことを見つけるというよりも、やること関わることが、好きになるし面白くなる。そんな状態になっていく。
思考の観察に関してはこちらでも述べている。