オレオレ詐欺集団という飽くなきテレアポを続ける営業マンの鑑
ふと、オレオレ詐欺集団とは何なのかと、思いたち、ネットで調べてみたところ、彼らはテレアポをひたすらこなす、会社もびっくりの規律組織であるということがわかった。
こちらの本の紹介には以下のように書かれている。
なぜ?
振り込め詐欺に手を染める有名大学・一流企業出身のエリートたち
被害総額1317億円超、総被害者数約10万人。
空前絶後の大規模犯罪、それが「振り込め詐欺」だ。
その主犯格は驚くべきことに、高学歴・一流企業出身の若者たちだった……。
出版時点(2009年)で1300億の被害。そこからさらに9年経っている。
こちらの書籍に登場する”タカハシ”のコメント
「だいたい1日にかけるのは、200件とか300件とか。もう普通のテレアポみたいな仕事ですよ。遅刻したら、その日の取り分はなしで。時間厳守で、普通の会社並みに、うるさくやってましたね」
ノルマは1日200万らしい。
当然、オレオレ詐欺集団の行動は褒められたものではないが、彼らの行動には何か底知れぬ情熱を感じる。
1日300件クラスのテレアポを続け、検挙されることに恐怖を感じながら、それでもなおやり続ける精神。
メンタルが強いというよりも、スリルが堪らないんだろうと予想する。
人を騙して、お金を盗ったその感覚、「してやったり」という達成感もあるんだろう。
スリルと破滅的な恐怖、それと、上手く行ったときの射幸心。ギャンブルを連想させる。
オレオレ詐欺集団の人間は、ギャンブル中毒のように、オレオレ詐欺中毒になっているんだろう。
テレアポ以外のオレオレ詐欺の仕事内容は意外とホワイトか?
また、オレオレ詐欺自体は、相手から怒られたり、罵られるようなことは少ない。捕まるか捕まらないか。不安そうな老人から金を受け取るか受け取らないかだ。
オレオレ詐欺のシナリオ次第では、困っている息子の代わりに金を届ける上司的な役割をして、お金を受け取るときに感謝されることすらあるかもしれない。
ここのあたりの老人相手とのコミュニケーションが比較的ホワイトに進むところも、長く続けられるポイントなのかもしれない。
クレーム対応の仕事の方がよっぽど堪えるだろう。
オレオレ詐欺含む特殊詐欺のデータを眺めてみる
こちらの記事によれば、特殊詐欺の被害額は2017年で390億にも達する。グラフ上2012年以降400億を超えており、10年でおよそ3000億以上の被害がある。
どこからそんなにお金が出てくるのか。
次に、東京都青少年治安本部の公表している、月別の特殊詐欺被害額を見てみよう。
こちらのグラフで興味深いのは、12月の特殊詐欺被害額が平成28年・29年のそれぞれ最高額を叩き出しており、その次の1月は、12月の約半分である。
おそらく、12月に数字が伸びているのは、年末に実家へ集まる家族が多く、その直後に電話をしても「オレオレ」の効果が薄いため、1月の数字が悪くなることを見越して、12月に駆け込みテレアポをかけているんだろう。
そろそろ、12月も近いので、皆さんの家に駆け込みオレオレ詐欺電話がかかってくるかもしれない。
以上のような、オレオレ詐欺に関する、データを見てきたが、やはり被害は大きく、老人が騙され続け、泣きを見る社会は忍びない。
今後の技術として、オレオレ詐欺対策にAIによる音声判定機能付き電話を是非開発してもらい、オレオレ詐欺を根絶してもらいたい。
最近流行りのスマートスピーカー。音声認識技術があるんだったら、電話に搭載して、電話の相手が「息子」なのかどうか、ぜひ機械的に判定してもらいたい。
そして、会話の内容から、逆探知+録音+警察への通報もしてもらいたい。
犯人の声紋を、記録し、データベース化してクラウドとつないで、その声が入ってきたら、瞬時にオレオレ詐欺犯人だと判定するような仕組みにしてほしい。
最近の音声認識技術は目覚ましいものがあるから、ここ10年以内には出てくるだろう。
逆に発達しすぎて、名探偵コナンの蝶ネクタイマイクみたいに声色を変えられる機器が出る可能性もある。そんな発明ができてしまえば、オレオレ詐欺やりたい放題だ。
・・・と、オレオレ詐欺に関して、いろいろ調べ考えてきたが、当然、人を騙すのに正当な理由など見当たらなかった。人を騙してはいけない。
まとめ
- オレオレ詐欺含む特殊詐欺被害額合計はここ10年の総計で3000億クラス
- シーズン的には、年末にオレオレ詐欺件数が増える。年が開けると減る。
- オレオレ詐欺かどうか判定する音声認識技術を搭載した電話を発売してほしい。
- 人を騙してはいけない。